こんな濃厚な塩辛は他にはない!伝統の味を守り続ける「これぞ塩辛」の波座の塩辛!
今回紹介するのは波に座ると書いて波座物産さんの塩辛です。あまり聞き慣れない名前ですね。波座とは潮の境目を指す言葉で寒流と暖流が交わると、そこに魚が集まることでまさに「海の宝の山」という意味を持ちます。
宮城県気仙沼の地で創業50年の昔ながらの塩辛の味を守り続けているメーカーです。気仙沼といえば2013年の東日本大地震、この波座物産さんも甚大な被害を受けました。
震災後、数ヶ月も何もできない状況で「気仙沼の味を忘れないでほしい」と被災をしなかった塩辛を無料配布をおこないました。この思いには気仙沼という土地への愛を感じます。
そして震災によって甚大が被害があり、復興がいつになるかわからない状況で「気仙沼の味を守っていくため」にこの地で再建すると決めました。伝統、伝承する味に対する強い気概を感じます。
食べていただければわかる、気仙沼の昔ながらの塩辛の味、その意思の強さと比例するような塩辛の濃厚さを感じます。企業の意思がまさに商品に反映していると思って食べると感動してしまいます。
1. 濃厚さはたっぷりと使用する「いかの肝」
ほとんどの塩辛は調味料によって味を決めていますが、この熟成塩辛は塩辛を作るのに必須な肝をふんだんに使用しています。また新鮮な肝を厳選し、使用することによって雑味のない濃厚な塩辛の味を作り上げています。
2.旨味を凝縮した一夜干しのいかを使用
ここがかなり大きなポイントです。いかは一夜干しを使用していることで旨味が凝縮されており、さらに乾いた身を漬け込むので浸透圧によって身が旨味をたっぷり吸い込みます。
これが強烈な濃厚さと旨味を引き出す要因となっています。「じゃあ他の塩辛も干したいかを使えばいいんじゃない?」と思うかも知れませんが下記の理由でできないんです。
- 塩辛の製造メーカーに乾燥機がない
- 干す作業は時間と手間がかかり、作業効率が悪くコストが大幅にかかってしまう
- 乾燥によっていかの重量が落ち、それだけで大幅なコストアップとなる(グラム(量)で価格が変わってくる商品のため)
- 乾燥時間はいかの大きさ、湿度によって都度変えないといけず熟練した経験が必要
3. 聞いてびっくり30日以上も樽の中で熟成
これまで紹介してきた塩辛も5〜7日間の熟成工程を踏んできていますが、それを遥に上回る30日って…。私は「そんなに熟成して腐らないの?」と疑問に思うわけですが、そこは科学の力と企業努力が集約されて辿り着いた極地なんです。
この塩辛が完成するまで7年という歳月を費やしました。樽の中で発酵させながら毎日状態を見ながら撹拌させて育てていく。これが超濃厚な旨味の強い塩辛を生み出している秘訣です。
冒頭から何度も出てきているワードですが、一口食べればわかる強烈なほどの「濃厚さ」がなんといってもこの塩辛の最大特徴。
その濃厚さとは塩辛の味付けの「コク」と凝縮された「旨味」です。その濃厚さゆえに、塩辛の中の小切れとなっているいか1本でご飯が充分に食べられます。ちびちび食べなが食べるのがおすすめです。そして最後の塩辛のタレ一滴まで無駄にしたくない気持ちにさせられるほどです。
食べて納得の30日熟成したんだとわかるほどの濃厚さを感じながら、一夜干しをして旨味を凝縮し、たっぷりと塩辛のタレを浸透圧で吸い込んだいかが相乗効果でより旨味とコクを感じます。
販売は一部スーパーで買えますが、高級塩辛の部類に入るので百貨店などでの取扱いが多いです。ECサイトから手軽に手に入ります。波座物産さんのホームページでも130g瓶で900円前後での販売をしています。
「昔ながら」この言葉の通りどこか今風ではない味付けだけど、この商品にしかない塩辛という日本の文化が育んできた原点を垣間見ます。
今回は地元気仙沼のお肉屋さんがこの熟成塩辛を使用した「豚塩辛焼きそば」を販売しており、塩辛焼きそばアレンジしたレシピで食べて見ました。塩辛の旨味が詰まった塩焼きそば、最高です。
もしかした「古臭い」とか、「しょっぱい」とか時代が変われば評価が変わってくるかもしれません。しかし先祖代々脈々と受け継がれてきた日本食文化は偉大で素晴らしものです。その文化を守っていきたし、波座物産さんは守り続けてくれています。そんな日本の食文化を感じる塩辛をぜひご賞味ください。
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